ニオイの好き嫌い
敏感な感覚
私たちは、外界を認識するのに、嗅覚、視覚、聴覚、触覚、味覚の五感を活用しています。その中でも嗅覚は、普通はそこまで意識はしない感覚です。ですが、ときには他の感覚以上に気分や行動に影響を及ぼしていることがあります。
ある言葉に「ニオイは記憶を閉じ込めている」というものがあります。これも、ニオイが感情と密接に関わっている例といえるでしょう。
生活の中で慣れ親しんだニオイでも、それから離れると、そのニオイのみを思い出すということはないといえます。どれだけインパクトの強いニオイでも、人の顔や声、音楽、風景など、鮮明に思い浮かべることはできません。
しかし、ふとしたひょうしに同様のニオイに接すると、そのニオイのみならず、これまで忘れていたニオイをかいだ時や気分まで、即座によみがえってくる事もあります。
ニオイの好みは人それぞれ
そしてまた、ニオイほど、好き嫌いが決定的に別れる感覚はないといえます。排泄物や生ゴミなどの悪臭を除けば、ニオイの好き嫌いというものは個人的なものになります。
「嫌なニオイだなぁ」と感じて友達に同意を求めても、その人は「いいニオイじゃないか」と言ってくることもしばしばです。大方の日本人にとって食欲を誘う焼き魚のニオイも、欧米人にとっては悪臭と感じるらしく、「日本人は魚臭い」と言う人もいるとか。
大抵のニオイに対しては、好き嫌いの区別は瞬時に下されます。そしてこの、好き嫌いに対応する反応は、他の感覚と比較しても格段に厳しく、理性で抑えることができないものです。
これほどまでに、好悪の激しい反応をニオイほど多種類にわたって引き起こすことはないといえます。